原油価格崩壊がヤバイ①
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世界情勢
おはようございます。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
中東とアフリカを中心とする産油国の政府系ファンド(SWF)が、原油価格の急落による財政悪化を背景に、大量の株式を売りに出す可能性が出て来ており、世界的な株価暴落を引き起こす可能性が高まっております。
以前のブログにおいて、サウジアラビア、ロシア、米国による原油戦争に突入しているとお伝えしてきましたが、OPEC(石油輸出国機構)と、ロシアなど非加盟産油国からなるOPECプラスの会合で、協調減産の協議が決裂してから、サウジアラビアがシェア拡大のために増産に舵を切りました。
増産により、原油価格は1バレル20ドル近辺と17年ぶりの低価格となっております。
これにより、以下のような大きな影響を及ぼします。
米国シェールオイル企業の破綻から生じる金融危機へ
シェールオイル企業はベンチャー企業が多く、ハイイールド債(=投機的格付債・ジャンク債)を利用してでないと、なかなかファイナンスができません。
米国シェールオイル企業は、生産コストが高いため、現在のような原油価格が続くとビジネスを続けることができない企業が続出し、また、ハイイールド債やCLO(ローン担保証券)を経由でその企業へ投資している金融機関や投資家にお金が戻って来なくなり、リーマン・ショック級の金融危機に発展する可能性があるということは、お伝えしている通りです。
足元では採算コストの高いシェールオイル企業が破産申請に追い込まれており、ハイイールド債の利回りが急騰しております。
ちなみに、業界最大手チェサピーク・エナジーの株価も大変なことになっております。
米国シェールオイル企業の破綻から生じる金融システム崩壊
米国シェールオイル企業の破綻が増えてくると、米国内での石油の供給が滞り、モノづくりに影響し、エネルギー価格が上がるだけでなく、モノの値段が上がり、インフレになってきます。
ただでさえ、現在は新型コロナウィルスの影響で、モノが造れない、モノが運べない状況ですので、今後、インフレが加速していき、金利が上昇してくることが心配です。
また、FRB(米連邦準備理事会)が無制限の量的緩和を発表しましたので、今後、金利が上昇し、国債の利払いが増えて、財政が圧迫していきます。
FRBは通貨発行権があり、それこそ無制限にお金をすることができるので、破綻することはないかも知れませんが、現在の金融システムはいつまでも続かないと思いますので、そう遠くないタイミングで、崩壊が始まるかと考えております。
その他、米国が世界最大の産油国の座からすべり落ちるどころか、純輸出国でもなくなり、また中東に依存することになり、世界の秩序が乱れる可能性もありえます。
(次回に続く)
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