原油価格崩壊がヤバイ②
公開日:
:
最終更新日:2020/04/02
世界情勢
おはようございます。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
OPEC(石油輸出国機構)と、ロシアなど非加盟産油国からなるOPECプラスの会合で、協調減産の協議が決裂してから、サウジアラビア、ロシア、米国による原油価格戦争に突入しております。
(前回にブログの続きです)
産油国の政府系ファンド(SWF)の財政圧迫から生じる世界的な株価暴落
サウジアラビアをはじめとする中東産油国は、オイルマネーを原資とした巨大な政府系ファンド(SWF:Sovereign Wealth Fund)を持っており、その潤沢なマネーが国家財政の基礎となっており、国内のインフラ整備や欧米への株式投資を行っております。
多くの産油国が財政予算を1バレル50ドル前後で組んでいるので、現在のような1バレル20ドルのような低価格が続くと、入ってくるお金が半分以下となってしまい、 国を運営していくのに支障が出てしまうため、冒頭で述べたように、大量の株式を売ることで、財政を確保しようとしております。
大量の株式を売却することにより、株価暴落に繋がる可能性がありますので、株に投資している方は気を付けてください。
なお、すでにサウジアラビアは政府機関に対し、最低20%の予算削減を要請しております。
その他の影響
OPEC(石油輸出国機構)と、ロシアなど非加盟産油国からなるOPECプラスの会合で、協調減産の協議が決裂してから、サウジアラビアがシェア拡大のために増産に舵を切ったことで、現在の1バレル20ドル近辺という価格で推移しておりますが、これは米シェールオイル企業をつぶし、世界市場におけるシェアを拡大するためです。
シェアを拡大すれば、ある程度、価格は自由にコントロールできますし、ビジネスの鉄則ですね。
しかしながら、増産による原油の低価格化を回避したい勢力もあり、軍事的手段で回避しようとしてくる可能性もあります。
昨年9月にもサウジアラビアの石油施設へ20機以上の無人航空機と巡航ミサイルで攻撃されたということがありました。
この攻撃については、イエメンのシーア派反政府武装勢力(フーシ)が犯行声明を出しておりますが、アメリカ製の防空システムを突破し、多数の目標の攻撃に成功していることから考えると、他国の協力なしには実施するのは不可能といわれております(米国はイランの関与を示唆)ので、増産に対して面白くおもっていない国が、軍事的手段でなんらか仕掛けてくることもありえます。
何かしら得るものがあったら、↓のロゴをクリックしてね。
オフショアファンド入門書を無料進呈します
日本では投資できない海外の優秀なヘッジファンド、オルタナティブの種類と投資の仕方をまとめています。
関連記事
-
米FRB、ゼロ金利政策を導入
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 FRB(米連邦準備理事会)が今月17、1
-
「家計の値上げ許容度も高まってきている」はどこまで続くか
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 先週、日銀の黒田総裁が講演で以下と述べま
-
ロシアから学ぶこともある日本人
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 米欧がロシア産原油の輸入禁止の検討に入り
-
金融危機はやって来る。だから過去の金融危機から学んでおこう
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 日経平均株価は、本日、一時700円を超え
-
「いつ起きるか分からないから、備えている」米疾病対策センター(CDC)から学ぶ危機意識
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 拡大が続いている新型コロナウィルスの影響
-
広がる「米ドル覇権」からの脱却
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 昨日、米国のバイデン大統領と中国の習近平
-
WHOが「パンデミック」を認めない理由 やはり「国際金融資本」
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長
-
長期積立投資は株価の高値警戒期にスタートすると“吉”
こんにちは、K2 College大崎です。 相変わらず米国株が強いですね。 米国を代表する株
-
現物資産「金」 有事の「金」
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 今月16日、国内最大の地金商である田中貴
-
金融システムの崩壊が先か。
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 今回のブログは、1ヶ月前に会員向けに配信
- PREV
- 原油価格崩壊がヤバイ①
- NEXT
- 新型コロナウィルス あなたのライフプランは大丈夫?