バブル崩壊の法則
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ファイナンシャルリテラシー
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
バイデン米大統領は、ひとり最大1400ドルの現金給付を含めた1兆9,000億ドル(約200兆円)の財政出動を主張しておりますが、過度なインフレやバブル崩壊への進行は大丈夫なのでしょうか。
イエレン米財務長官も1兆9,000億ドル(約200兆円)の経済対策が実現すれば、2022年に完全雇用に戻ると訴えております。
確かに、GDPは回復してきておりますが、労働市場はGDPほど回復しておりませんので、雇用回復に財政出動は必要だと思います。
しかしながら、飲食業や旅行業などは制限されていることもあり、1兆9,000億ドル(約200兆円)の財政出動をしても、雇用回復には時間を要するでしょう。
ちなみに、現金給付をしても消費に回るだけでなく、貯蓄や投資にも回っております。
実際、トランプ前大統領の下、1,800ドルの現金給付を支給したところ、個人所得は十数年ぶりの伸び率を記録しましたが、給付金で株式投資を始める人々も少なくなく、「ロビンフッド」という投資アプリを利用した投資が急激に増え、仕事を失ったにも関わらず、失業給付金を受け取ってそれを投資に回すなど、「給付金バブル」に踊っております。
財政出動は賛成ですが、その金額が巨額になると、ますます市場をゆがめることになり、バブル崩壊が早まらないかとても心配しております。
日本でも元FRB議長アラン・グリーンスパンの
「バブルは崩壊して初めてバブルと分かる」
という言葉が知られておりますが、参考になるデータもいくつかあります。
そのひとつが「シラーPER」であり、現在の株価 ÷ 過去10年間の1株あたり純利益の平均値で計算することができ、一般的にはシラーPERが25倍以上になると株価の過熱感が意識されております。
過去、1929年の世界恐慌が起こる直前のシラーPERは約30倍でしたし、ITバブル崩壊、リーマンショックのいずれもシラーPERは25倍を超えておりました。そして、現在のシラーPERは、35.80となっております。
下のグラフを見ていただくと、名目GDP(青)は実体経済を表す指標ですが、それに比べ、株価(緑)が乖離し過ぎているのがわかります。
マネーストックM2(赤)は経済全体に供給されている通貨の総量を表しますが、こちらも実体経済に乖離し過ぎている量を市場に供給しているのがわかります。しかもその乖離は、どんどん拡がっておりますね。
そして、ITバルブ崩壊、リーマンショック後には、いずれも名目GDP(青)近くまで、株価(緑)が戻っていることが見て取れます。
また、金融機関による総融資残高がGDP(国内総生産)に対して1.6倍を超えるとバブルは崩壊することが多いというデータもあります。
現在の総融資残高のデータを探して検証しようとしましたが、米国のデータは探すことができませんでした。
しかしながら、日本の部門別の金融資産・負債残高(2020年9月末)のデータを見つけることができ、これを見ると、金融機関による総融資残高は、名目GDP540兆円(2020年)に対して、すでに1.6倍以上になっております。
いずれもあくまでも過去のデータであり、この先どうなるかわかりませんが、これらを踏まえた上で投資をされると宜しいかと思います。
米連邦準備理事会(FRB)は、少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針を表明しておりますので、今後も株高基調は続くかも知れませんが、
株価が暴落しても満期時にマイナス運用になることがないプランはいくつもありますので、これらのプランを利用して、万一に備えるという選択肢もあります。
毎年3.6%の固定金利を受け取れるプラン
S&P500で運用しながら140%や160%の元本確保があるプラン
S&P500やNASDAQ100で運用しながら毎年最低1%が確保されているプラン
覚えておいて頂きたいのは、ITバブル崩壊やリーマンショックの際の株価暴落は、2〜3年かけて暴落していき、もとの株価に戻るのに6〜7年は要しているということです。
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