「5G」で中国包囲網は出来つつある。
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最終更新日:2020/04/28
世界情勢
こんにちは。K2 Investmentの大崎です。
前回のブログでは、中国は、「一帯一路」の名の下に、発展途上国に対し、空港や港などのインフラ整備に資金を貸し付け、支援を受けた国が借りた資金を返済できない場合は、その国の空港や港などを影響下に置いているという「債務の罠」について述べました。
その国のひとつに、スリランカがあります。
スリランカは、ハンバントタ港の建設を中国の融資に頼りましたが、多額の債務を返済できず、99年にわたり港を中国の国営企業に貸し出すことになりました。
アメリカのシンクタンクは、一帯一路の沿線国のうち、ジブチ、キルギス、ラオス、モルディブ、モンゴル、モンテネグロ、タジキスタン、パキスタンの8カ国は、債務が返済できなくなる懸念が強いと指摘しています。
また、米軍がフィリピンに駐留していた頃、クラーク空軍基地やスービック海軍基地が主要拠点となっていましたが、1992年にスービック海軍基地返還することになって以来、1994年には、フィリピンが実効支配していた南沙(スプラトリー)諸島のミスチーフ礁に、中国が構造物を建造など、中国の実効支配が始まりました。
いまや、中国が実効支配する南沙諸島の7つの環礁には、滑走路やレーダー施設などが建設され、中国が軍事化を勧めている様子が見て取れます。
こうした中国(共産党)の世界覇権をしようとする動きに対し、米国と国際金融資本が一致団結して動き出しているわけです。
そして、5Gにおいても米中の覇権争いが活発化しています。
5Gは、第5世代となる次世代通信規格のことで、「超高速・大容量」「超低遅延」「多数端末同時接続」という3つの特徴を持っていると言われており、IoT(Internet of Things)というすべての「モノ」がネットワークでつながる時代の柱になる技術として期待されています。
アメリカは、5G関連で世界をリードするファーウェイに基幹技術を握られてしまうと、その背後にいる中国政府が世界のあらゆる「情報」を握るようになってしまうとして、国家安全保障上の脅威としてファーウェイやZTEなど中国の通信企業の政府調達を禁止してきました。
それどころか、ファーウェイなど、制裁対象企業の部品を組み込んでいる製品を扱っている企業も、アメリカ政府機関との取引はできなくなりますし、日本製品であったとしても、アメリカ製部品が25%超含まれた製品を制裁対象リストに載っている中国企業に輸出した場合、その企業は今後、アメリカ企業との取引ができなくなります。
そして、米国は、同盟諸国に対してもファーウェイなどの中国製品を採用しないよう圧力をかけています。
また、「ファイブアイズ」と呼ばれる5カ国の情報機関が、日本、ドイツ、フランスの3カ国とも連携し、中国などのサイバー攻撃に関する情報共有の新たな枠組みをつくっています。
前回のブログでは、日本の貿易相手国No1とNo2の国々が覇権戦争をしており、どちらに付くか態度をハッキリしなければいけない時が来るかも知れないと記載しましたが、すでに中国包囲網は出来つつあります。
これからサプライチェーンの組み換えが進むと思いますので、中国とビジネスをしている企業は、徐々に影響が出てくると思われます。
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