現在の日本の株価は適正価格ではないですよ。
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最終更新日:2019/09/20
お金, ファイナンシャルリテラシー, 年金
こんにちは。K2 Investmentの大崎です。
本日の東京株式市場において、日経平均株価は11営業日ぶりに反落し、2万1960円71銭で終えました。昨日には約5カ月ぶりに2万2,000円台を回復したところですが、やはり株式はリスク(標準偏差/値動きのブレ幅)が約25%もあるジェットコースターのようなものなので、一般投資家が株式に投資される場合は、リーマンショックのように株価が大きく下がった際に購入するか、積立投資などを利用して賢く投資されるようにしてくださいね。
ちなみに、日経平均株価が2万2,000円台を回復したとは言え、企業業績が株価に反映されて株価が上がっているわけではありません。
実際は、日本銀行、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、共済年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命といった「5頭のクジラ」と呼ばれる機関が日本の株式市場を買い支えてます。特に、日本銀行やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、それぞれ30〜40兆円近い資金を出して買い支えています。
そのため、現在の株価は適正な株価ではないですし、買い支える体力が無くなった際には、どこまで下落するか予想できません。
日本株に投資している方は、そのようなことも理解した上で、投資してくださいね。
そして、我々の「年金積立金」も約40兆円近くが日本株式で運用されておりますので、下落した場合、その分、年金積立金から補填される我々の公的年金は減りますので、その点も踏まえた上で、長生きリスクに備えた方が賢明でしょう。
<日本銀行における日本株購入>
日本銀行が景気を支えるためにETF(上場投資信託)を購入しており、2019年3月末時点において、時価ベースでの保有額は28兆9136億円となっております。その額は、東証1部に上場する企業の時価総額の4.8%を占める規模にまで至っており、現在では、上場企業の49.7%と、約半数で日本銀行が大株主になっています。
なお、日銀は毎年ETF(上場投資信託)を約6兆円購入しているので、 2020年末には約40兆円に増え、現在6%超を保有すると見られ、最大の株主であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を上回ると見られています。
ちなみに、日経新聞によると、日銀が筆頭株主になっている企業上位10社は以下の通り(2019年3月末時点)。
日東電工(実質保有比率15.3%)
ファナック(同12.7%)
オムロン(同12.5%)
日本ハム(同12.2%)
宝HD(同11.7%)
東海カーボン(同11.0%)
安川電機(同10.3%)
サッポロHD(同8.0%)
ユニチカ(同6.7%)
京王電鉄(同6.3%)
なお、日本銀行が企業の大株主になるのもどうかと思いますが、株主になるにせよ、その企業が投資するに値する企業であればまだ良いのですが、日銀は個別銘柄ではなく東京証券取引所に上場している銘柄で構成されているETFをただ購入しているので、おのずとETFを構成している銘柄の株主になってしまい、本来であればその価値がない企業の株価まで引き上げてしまっており、健全ではないと思います。
<GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)における日本株購入>
また、我々の年金積立金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ですが、同じく、2019年3月末時点において、国内株式の時価ベースでの保有額は38兆6,556億円となっております。
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