どこまでも続く?日銀のETF購入
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ファイナンシャルリテラシー
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
先日のロイターに以下の記事が掲載されておりました。
これまでは、世界株が下落すれば、外国人投資家は日本株を売り、世界株が上昇すれば、外国人投資家は日本株を買うという動きになっておりましたが、最近の局面では、世界株が反発する局面に入っても、外国人投資家は日本株を売り続けております。
しかしながら、外国人投資が日本株を売り続けているにも関わらず、株価は上昇するという局面になっております。しかも、日本の株式市場の7割は外国人投資家が占めているにも関わらずです。
それは、なぜかというと、それだけ日銀がETF(上場投資信託)を買っているからですね。
このブログでは何度も、今の株価は、実体経済とは乖離しており、日銀が金融緩和で通貨供給量を増やしているから、そして低金利政策によって、企業が自社株買いを行っているからの高値であり、適正価格ではないと述べてきましたが、日銀のETF買いは加速しています(この3月から購入上限を6兆円から12兆円に倍増)
上述したロイターの記事において、ピクテ投信投資顧問の市川眞一氏は、日本株に対する外国人投資家の売りが止まらない理由として「コロナ後の日本で産業や企業の新陳代謝が起きそうにないと見透かされているからではないか」と指摘していますが、それはあるかも知れませんね。
なんたって、日銀が購入し続けているのは、企業の株式を寄せ集めにしたパッケージ商品ですので、その中には、存続が難しい企業の株式も買われていますからね。
このような理由で、外国人投資家が売っているのであれば、特に気にならないのですが、他にも理由があるようで気になっております。
ただ、我々にとって重要なことは、日本の株式市場はおかしな状態であるということを認識すべきです。
日銀のETF保有残高(時価ベース)は、この3月末時点で29兆円強 あり、その金額は東証1部の時価総額の4.7%相当 を占めており、今頃は、GPIF(年金積立金管理運用独立機構)の保有額を抜いて、日本株の最大の株主になっていることでしょう。
しかも、日銀は、JASDAQ市場に上場している民間銀行であり、その民間企業にすぎない日銀が、約3,700社ある上場企業の約5割で大株主(上位10位以内の株主)になっているという状態が起こっております。
また、以前のブログ「日本銀行の保有ETFの損益分岐点は1万9,500円 すでに含み損」でも述べましたが、日銀の保有しているETFの損益分岐点は1万9,500円でしたから、日経平均株価がその金額を下回れば、含み損状態になります。
まあ、無から生み出したお金で購入したETFだから、何にも気にする必要はないと言いたいのですが、株価の含み損が膨らんでバランスシートが棄損すれば、日本円の信認が低下し、円売りが加速していくことに繋がりますから、気にしなければなりません。
また、日銀がETFを売却すれば、日経平均株価を押し下げることになりますし、金額によっては暴落を引き起こしますので、売れないですし、どうするのでしょうかね。
そして、日銀のETF購入は、まだまだ続く?
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