金融業界「85万人」に新試験? 我々がファイナンシャル・リテラシーを付けましょう。
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ファイナンシャルリテラシー
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
本日の日本経済新聞 電子版に、以下の記事を見つけました。
生命保険業界が新たな資格試験「外貨建保険販売資格試験」を約30年ぶりに創設するそうです。
その数、保険会社の営業職員だけでなく、外貨保険の販売ルートである銀行や証券会社の社員らにも新試験を課すようで、その受験者数は、約85万人と相当な規模になりそうです。
この手の資格について、いつも思うのですが、本当に必要でしょうか?
誰のためになるのでしょうかね。
記事には、以下の記載がありますが、販売する側の説明や知識不足を原因とした契約者からの苦情が多いのであれば、販売する人間の説明能力を向上させたり、知識を増やせば良い話で、何も資格にする必要はありません
販売する側の説明や知識不足を原因とした契約者からの苦情が膨らみ、資格試験の導入などを通じた販売正常化対策を迫られた。
どの業界にも営業はおりますが、販売する上で、本当に資格が必要な人間は、ごくわずかでしょう。
営業であれば、自社が扱う商品についての知識は自己啓発で向上させます。
もちろん業界によっては、扱う商品がソフトウェアや機械などもあるので、研修やレクチャーもありますが、顧客に販売するために資格が必要でしょうか。
金融庁首脳は「あえて試験を作れと指示したおぼえはないし、資格取得がゴールではない」と述べているようですが、彼らからの指導が入っているのか、彼らへの忖度でしょうかね。
それとも、他の資格ビジネスと同様に、協会が儲かるために作られたものでしょうか。何しろ、生保協会の清水博会長の肝煎りで、銀行などの関係者への根回しなしに導入を決めたようですから。
試験の費用が5,000円だと仮定すると、対象者は85万人とのことですから、約4億2500万円が生保協会に入ることになります。
また、苦情や相談が国民生活センターには、以下のような内容が寄せられているとのことですが、資格を取得しても、やる人はやりますよね。
「定期預金に入ったつもりが、外貨保険に加入させられていた」
「一人暮らしで認知能力が低下している高齢の叔母が20件の外貨保険を契約していた」
要は、資格が必要なのではなく、販売をする人間のモラルの問題であり、もっと言えば、そのような環境にしてしまう会社の問題でもあるのです。
近年、FD(顧客本位の業務運営)の徹底をめぐり、最大の標的となった投資信託の売れ行きが鈍ったとたんに、外貨保険の販売が急増しているのだ。銀行と保険会社が結託し、売りやすい商品を手掛けて手数料稼ぎに注力するという安きに流れてはいまいか――。
これは、恐らくそうでしょうね。
彼らにはノルマがあるでしょうから、顧客にとって良くないことだと認識していても、自分達の生活のために、手を染めてしまう方もいるでしょし、会社も存続のために、自分達が儲かるものに注力しているのでしょう。
もちろん、このようなことは許されることではないですが、投資家としても、ある程度のファイナンシャル・リテラシーを備えていたり、販売する側の人間を見抜くことができれば、被害に遭うこともないでしょう。
大手の銀行、証券会社、保険会社だから、または、資格を持っているから安心、大丈夫とは思わず、自らもファイナンシャル・リテラシーを付けるようにして、自己防衛していきましょう。特に、これからの時代は運用の良し悪しで、生活レベルに大きな差が出てきます。
そして、販売する側の人間も、他にも収入源があれば、自分ではおかしな事だと思ったら、無理して会社にしがみつく必要はありませんので、収入源は他にも持つようにしましょう。
今いる会社が潰れても、たとえリストラに遭っても、自分だけは大丈夫という状態を作っていくことは、特にこれからの時代は大切です。
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