損金算入できる生命保険 原則、節税効果はありません。
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ファイナンシャルリテラシー, 保険
おはようございます。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
最近、企業経営者が、海外積立投資やオフショア資産管理口座を法人で契約したり、海外生命保険を法人で加入されたりするケースが増えております。
その理由は、日本の商品に比べてお金が殖えるからというものや、日本には様々なリスクがあるからなど様々ですが、やはり、個人でなんらかの海外投資をされていて、追加で法人も検討するというケースが多いですね。
企業経営者と話をしていると節税のために生命保険を検討されている方が多いです。
悲しいかな、保険代理店や税理士から節税になると説明され、損金算入できる生命保険に入っている方が多いのですが、ほとんどのケースで節税にはなっておらず、「課税の繰り延べ」をしているにすぎません。
税金を払うのはもったいないからと、全損や半損扱いのできる生命保険に加入して来られているのですが、確かに、保険料(の一部)は払い込んだ年度は経費になり、その年度の税金は圧縮することができます。しかしながら、将来、解約返戻金を受け取ったときは、雑収入となり、その年度の税金が膨らんでしまいます。
このような説明をすると、解約返戻金(雑収入)を退職金(経費)と相殺すれば良いとの反論される方もおられると思いますが、 そうしたとしても、原則、節税効果はありません。
以下に、生命保険に加入しなかった場合と、生命保険に加入した場合の法人税等の額の図を記載しておりますが、ご覧いただくと、解約返戻金(雑収入)を退職金(経費)と相殺しても、6年間トータルでの法人税額は同じになっております。

※実効税率30%
※毎年1,000万円の生命保険料は全額損金算入
※解約返戻率100%
毎年、支払ってきた保険料は、一体、なんだったのでしょうかね。
しかも、このケースは全額損金算入、解約返戻率100%で計算しておりますが、多くのケースで解約返戻率は100%もありません。
払ってきた保険料が全額戻って来ないということです。
そして、そもそも、その年度の税金を圧縮できるとしても、このケースで言えば、300万円の税金を圧縮するために1,000万円の保険料を払っています。
将来、ほぼ戻ってくるからと考えて支払っているのでしょうが、もしこれが半損の保険であれば、1,000万円の保険料に対して経費となるのは50%ですし、実効税率30%の場合、150万円の節税のために、1,000万円を使っていることになります。
しかも、忘れていけないのは、毎年1,000万円が利益から出ていっているという事実です。
節税にならない保険料を支払わなければ、毎年、会社に7,000万円のキャッシュが残りますが、保険料を支払っていれば6,300万円しか残りません。
本質的に会社に残るお金を減らしていることになり、場合によっては、資金繰りが悪化してしまう可能性もあります。
そして、会社にお金が残らなければ、金融機関からの融資も厳しくなります。
よく言われることですが、金融機関は晴れの日に傘を貸して、雨の日に取り上げます。
ただ、業績が良く、確実に返済してくれそうな会社に融資し、業績が悪く、返済が危うい会社への融資を厳しくするのは当然です。
事業を拡大していくならば、節税のために保険に加入するのではなく、しっかり税金を払い、財務状況を良くして金融機関から融資を引き出せる体質にした方が良いと、日頃、企業経営者へはアドバイスしておりますが、税金を払うのはもったいないと節税にばかり意識がいき、金融機関からの融資が減る可能性に対しては意識していない方が本当に多いです。
社長、生命保険で課税の繰り延べをするよりも、会社にお金を残しましょう。
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