タワーマンションに住むことの代償(続編)

公開日: : 最終更新日:2019/11/08 不動産関連

こんにちは。ライフプラン・アドバイザーの大崎です。

前回のブログでは、マンションの修繕積立費は上昇していくことに触れました。

タワーマンションの場合は、その修繕積立金が一般のマンションとは違い、かなり高額になっていくと思われます。

大規模修繕工事をする場合、一般のマンションは、建物の周囲に足場を組んでその足場を作業員が移動しながら修繕していきますが、タワーマンションの場合は、高層となるために足場を組んで修繕することは難しいですから、ゴンドラを屋上から吊り下げる方法か、移動式昇降足場を設置して修繕していくことになります。

これだけでも、足場を組んで修繕するのに比べ、修繕期間は長くなりますし、コストも増えることは想像できますが、高層階は風が強いために、危険が伴うとして作業が中断されることもありますし、その分、期間が延びてしまい、人件費も掛かり費用も高くなってしまいますね。

以前の「週刊新潮」に、修繕積立金の値上げに成功したケースとして「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」の記事が掲載されていましたが、築5年のときに修繕積立金が足りないことが発覚し、そこで50年の均等積立方式に変え、毎月の修繕積立金は約2.7倍に値上げしたようです。

以下が、管理組合の理事の発言ですが、

「最初の30年は、毎年の平均支出額が1.9億円ですが、31年目からは2.5億円もかかり、50年全体でかかる費用は計画上で110億円を超えます。そこで分譲当初は1平方メートル当たり85円だった積立金を、5年目に均等積立に移行して同230円にまで引き上げました」

「結果、1戸平均で月6000円が1万7000円ほどになって、管理費など諸々含め、月に4万円ほど支払っている住戸が多いですね」

50年間は修繕積立金の値上がりすることはなくなったということは安心ですし、計画的に大規模修繕も実施できそうで良いことだとは思いますが、毎月の修繕積立費が10,000円も値上がりし、管理費含めた費用が月4万円ほどになると、収入が減ったりした場合、払っていけなくなる方もいるかも知れませんね。

 

修繕積立金を「均等積立方式」に変更し、早めに値上げをしたケースとして取り上げましたが、ほとんどのマンション管理組合が採用している方式は「段階増額方式」のため、修繕積立金を値上げするたびに総会で決議にかけて過半数の賛成を得なければならず、住民の反対で値上げができずに、修繕自体ができないということが、今後、増えてくると思います。

 

また、タワーマンションの場合は、外壁材はほとんど軽量気泡コンクリートパネルを使っています。これは、セメントと空気を混ぜて作られたパネルで、重さはコンクリートよりもずっと軽く、断熱性も高く、工場で生産されたものを現場で組み立てるだけのものです。

パネルのつなぎ目はコーキング材という樹脂で塞ぎ、雨水などを防いでいるのですが、タワーマンションは高層にあるために、紫外線の影響は強いですし、強風や地震で揺れやすく、つなぎ目のコーキング材は疲弊していきます。

そのうち、ひびが入ったりして雨漏りの原因になってしまいます。

雨漏りが発覚しても、修繕しようにも前述の通り、ゴンドラを利用しての修繕になるために費用は高くなるでしょうし、そもそもコーキング材の隙間から雨水が入っていても、断熱材などで防がれて、より症状が悪化するまでは気が付かないこともあるでしょう。

 

その他の「タワーマンションに住むことで生じる代償」としては、外部からの救助が遅くなるという点です。

カナダ医師会誌「CMAJ」によると、心肺停止で病院に運ばれて生きて退院できた人の割合は、1~2階の住民で4.2%だったのに対し、25階以上ではゼロとのことです。

高層階に住んでいると、救急車を呼んでも救急救命士が部屋まで到着するまでに時間を要してしまい、助からない確率がその分高くなるということですね。

死亡総数でみた場合、死因順位の第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患ですので、該当する方は、高層階に住むことを避けた方が良いかも知れませんね。

助かる命も、高層階に住んでいることで助からない可能性は高くなります。

 

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    • 名前

      ファイナンシャルアドバイザー
      大崎 真嗣

      <出身>

      愛知県名古屋市

      <経歴>

      愛知大学経済学部卒業
      大手旅行会社で10年間、その後、企業の人材育成を支援する会社で約6年間、法人営業として経験を積む。
      直近約5年半はキャリアコンサルタントとして、転職希望者の相談や企業の採用に一役を担う。

      その傍らで、自らの投資経験を踏まえたファイナンシャルアドバイスを開始。
      ファイナンシャルプランナー2級も取得。

      自分でしっかり考える投資家をサポートするという経営方針に共感し、自らもかねてから顧客であったK2 Investmentに参画。

      <趣味>
      投資、ビジネス、旅行、読書

      <自己紹介>
      15年以上、投資や事業に取り組んできており、自分の想定寿命やライフプランから逆算して必要となるポートフォリオを組んでいる。

      株式投資を始めたが、ライブドアショックで大損。その後、独学で学び、まだ一般的でなかったインデックス投信や海外ETFなどに分散しながら資産を構築。

      また、自分の労働含めた資本が日本に集中していることに気付き、海外へ分散していくことを決意。数年前からK2 Investment経由でいくかの海外ファンドに投資している。

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