日本株や定期預金だけだと元本は毀損する
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ファイナンシャルリテラシー, 長期投資
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
名古屋市立大学の臼杵政治教授が、元本を毀損する確率が投資期間によりどう変わるかを、資産ごとに、過去のデータから検証している内容を見つけましたので、共有したいと思います。
検証対象の資産は、日本株100%、外国株100%、株式債券(内外4資産の均等配分)、定期預金(1年以上2年未満)の4つとし、1980年1月から2020年までのデータをもとに、どのくらいの期間の投資ならリスクがなくなったのか、その割合(確率)を検証されております。
結論を先に記載しますと、以下と纏められております。
株式投資において名目・実質の元本毀損を避けたいのなら、少なくとも20年程度の運用期間を想定する必要がある。
日本株だけの投資よりグローバル株式や複数の資産クラスへの分散投資の方が損失の確率が小さくなる。
定期預金(元本確保型)でも、20年までの投資期間では物価を考慮した実質元本が毀損される可能性を無視できなかった。
このブログで、いつもお伝えしていることですね。
ちなみに、図表内に(名目)と(実質)と分かれておりますが、(実質)の数字は物価を反映した数字です。
日本のニュースでも、先日、砂糖や食用油の値上げが伝えられておりましたが、世界の食料価格は上昇しております。
物価が上昇していけば、運用をせずに貯金だけをしている場合、お金は目減りしていきますので、定期預金含めて、図表は「実質マイナス」の項目で見なければなりません。
データを読み解いていきますと、外国株や内外の株式債券4資産で10年や20年間運用していれば、元本を毀損する確率も0%になっていきますが、
日本株や定期預金だけで運用していけば、20年や30年間運用していても、元本を毀損する確率は0%にはなりません。
定期預金で30年間運用した場合は0%になっているではないかと言う方もいるかも知れませんが、これは1990年までは定期預金の金利は3〜4%もあったので、物価が2〜3%上昇したとしても元本を毀損することはなかったからです。
ですから、政府がインフレターゲットを2%/年に設定しているので、少なくとも2%/年以上のリターンが得られるもので運用してお金を増やしていくことをこのブログでも勧めているわけですね。
また、図表内の「平均収益率」を見ていただきたいのですが、これは今回の検証期間の1980年1月から2020年12月までの41年間の平均リターンを表しております。
比較して頂きたいために平均収益率(名目)をご覧いただくと、日本株の年平均リターンは7%、外国株は11%となっております。
こちらのブログで、過去48年間のデータ(2018年末時点)で確認いただくと、日本株の年平均リターンは5.3%、外国株は約8%であることがわかります。
データで検証することの大切さを再認識したのですが、それぞれ今回のデータの方が2〜3%リターンが高くなっておりますのは、2019年〜2020年に大きなリターンを上げることができたためです。今も続いておりますが、大規模な金融緩和と財政出動のお金が流れ込んでいる影響ですね。
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