国債購入の制限撤廃でインフレへ、そして
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最終更新日:2020/04/29
ファイナンシャルリテラシー
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
先ほど、日本銀行が追加の金融緩和策を決定し、ついに国債購入の制限を撤廃しました。
これで政府は国債を制限なく発行し、日銀は制限なく国債を買い取ることができるようになったわけです。
新型コロナウィルスの影響で悪化していく経済を下支えするためには仕方ないですが、ついに日本銀行も、FRBに追随して一線を越えてしまったわけですね。この先どうなっていくのでしょうか。
ただ、日本円にしろ米ドルにしろ、大量に通貨を刷ることで、物との需給のバランスにおいて、ますます通貨の価値が下がっていくことは間違いないです。
このブログでも、現在の金融システムはいずれ維持できなくなるから、資産の一部は現物の金を保有するように案内しておりますが、日本円だけで保有している方は、本当に気をつけておいてくださいね。
大量に通貨を刷ることで、ますます通貨の価値が下がっていくことは上述した通りですが、インフレが進行し、持っている現金が目減りしていくだけでなく、紙切れになってしまう可能性もあります。
不動産や美術品、アンティークコインなどの実物資産は紙切れになることはないので良いと思いますが、政府に把握されているものは、没収されたり、財産税を課されたりする可能性があることは覚えておいてください。
時代は違いますが、第二次世界大戦による戦費を確保するために国債が乱発されますが、これらの国債は日銀引受となっています。
その後、日本は敗戦を迎えて、消費財の不足や終戦処理費などによる巨額な財政支出によって、激しいインフレに見舞われました。
そこで、政府は1946年2月、インフレの進行に歯止めをかけるために、金融緊急措置令および日本銀行券預入令を公布し、預金封鎖と新円切り替えを実施するわけです。
ちなみに、第二次世界大戦前の1931年12月、高橋是清が5回目の大蔵大臣に就任し、積極財政と日銀による国債引受をして、日本をデフレから立ち直らせています。経済は少しずつ回復、インフレが起こっていたということですね。
もっとも、高橋是清の場合は、日銀に国債を引き受けさせたとは言え、それを続ければ、悪性のインフレになるということを懸念して、金融機関へ売却させていました。
なお、現在は、日銀に国債を引き受けさせることは禁止されておりますが、今回のように、国債購入の制限を撤廃したら同じことですよね?
しかも、高橋是清は日銀に国債を引き受けさせたとは言え、悪性のインフレになることを懸念して、金融機関へ売却させていましたが、現在の日銀は、むしろ、金融機関から買い取っております。
これって、高橋是清が懸念しておりました悪性のインフレに向かっていくのではないでしょうか。
マイルドなインフレで収まって欲しいですが、少なくとも何かしらのインフレヘッジをしておきましょう。
(追伸)
勘違いして頂きたくないのが、今すぐインフレに向かっているとは述べておりません。
過去のブログをお読みいただければわかりますが、現在は、原油価格は20年ぶりの安値圏内で推移しておりますし、2019年10~12月期のGDP(国内総生産)が7.1%減少してからの新型コロナウィルスによる経済活動の縮小で、デフレ圧力が高まっております。
しかしながら、経済活動が縮小していれば、供給された通貨も滞留しますが、新型コロナウィルス問題が収束していけば、経済活動は再び動き出し、自粛していた期間が長かった分、反動が大きくなる可能性もあり、今度はインフレ圧力が高まっていきます。
そして、その際に供給能力が追いついていなければ、物価は上がっていくことになるでしょう。
市場に流れている通貨の量が多ければ、なお、その上昇スピードは早くなりますよね。
その際、給与が上がらなければ、また、金利が上がっていけば、悪性のインフレに向かっていくのではないでしょうか。
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