FRBの量的引き締め(QT)で市場はどうなる
公開日:
:
積立投資
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。
3月に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事要旨が6日公表され、FRB(連邦準備制度理事会)の大規模に膨らんだ保有資産を月額最大950億ドルのペースで縮小することが明らかになりました。
量的引き締め(QT)と呼ばれる資産圧縮に5月にも乗り出すようですが、最大では3年で3.4兆ドル減らす計算になります。前回(2017~19年)の倍となるペースで圧縮する計画ですが、2020年にかなりお金をバラマキましたからね。
FRBは3月に政策金利の引き上げを開始しましたが、続いて量的引き締めをしてインフレの封じ込めをするようです。
議事要旨では、3月の政策金利の引き上げはウクライナ侵攻がなければ多くの当局者は0.5ポイント利上げを支持していましたが、侵攻が起きたことを受けて0.25ポイントにとどめたということも判明しました。
利上げを続けても株価は上昇しているということは、以前のブログでお伝えしましたが、量的引き締めと呼ばれる資産圧縮に対しては、株価はどう動いたのでしょうか。
こちらも前回の量的引き締めの際はどうだったかを確認してみると、引き締め開始とともに株価は下落しておりますが、その後に回復したり、大きく下げたりと、ボラティリティはかなり高いですが、引き締め開始前の水準に戻していることがわかります。
これを見る限りは株価下落に関してはそれほど心配する必要もないように思いますが、なにせ今回の量的引き締めは前回の倍となるペースで圧縮する計画ですし、利上げと二重の引き締めとなりますから、果たしてどうなりますでしょうか。
また、最初の図(主要中央銀行のバランスシートと世界株式)を見ていただくと、バランスシート(総資産)の拡大に合わせて世界株式も上昇してきているのがわかるかと思います。
この膨らんだバランスシートを縮小していくと、どうなるのか。
これまでの経験が前回の量的引き締めしかないので予測不能ですが、市場や経済が大変なことにならないことを祈るのみです。
なお、以前のブログで量的金融緩和の縮小(テーパリング)に対する懸念により、金融市場がかんしゃく(タントラム)を起こしたことを記載しましたが、このときは長期金利が急騰しました。
かんしゃく(タントラム)を起こし、長期金利が急騰、そして株式の暴落が起きないように期待したいです。
積立投資をしている方は、気にすることなく淡々と積立を続けてくださいね。
海外投資入門書を無料進呈します
海外のファンド、海外口座、海外積立と国内の違いをまとめています。
関連記事
-
積立投資も出口を考えたプラン選択をしよう
こんにちは。K2 College大崎です。 ここまで株式が下がってきますと、心配になって運用先
-
Metis(メティス)の積立投資商品「インテリジェンス」は投資してはいけない
こんにちは。K2 College大崎です。 今回は「Metis(メティス)の積立投資商
-
「リバランス」の本質を理解して効率的にお金を殖やそう
こんばんは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 5/16(土)に投資初心者向けのオンライ
-
年金が減る仕組みになっている
こんにちは。ファイナンシャルアドバイザーの大崎です。 皆さんは「マクロ経済スライド」という年金
-
CRS(共通報告基準)の報告対象国に入っていない
こんにちは。K2 Investmentの大崎です。 前回のブログで、別の保険会社のプランで海外
-
『新しい海外積立(80%保証プラン)』と『海外積立(元本確保型プラン)』ではどちらが良いか
こんにちは。K2 College大崎です。 弊社で「新しい海外積立(80%保証プラン)」の紹介
-
S&P500インデックスで運用する場合、知っておいて欲しい重要なこと
こんにちは。K2 College大崎です。 昨日よりアメリカの高原リゾート「ジャクソンホール」
-
iシェアーズ 米国株式(S&P500)インデックス・ファンド ~ブラックロック・ジャパン
こんにちは。K2 College大崎です。 今回は、「iシェアーズ 米国株式(S&P5
-
FIRE(経済的自立と早期退職)の達成も「定率法」でした。
こんにちは。ファイナンシャル・アドバイザーの大崎です。 前回のブログでは、老後資産を長持ちさせ
-
「新しいNISA」と「海外積立(80%保証プラン)」比較
こんにちは。K2 College大崎です。 コラムをお読みいただいている方から、「つみたてNI
- PREV
- 企業年金の利率が下がることは給与減少につながる
- NEXT
- 株式から他の資産クラスでの運用にシフトする